筋肉と免疫機能

 身体運動の実施が免疫システムを維持することに有効であることは多々指摘されています。今回のコロナウィルス感染予防での行動自粛が運動量の減少を招きメンタルストレスの増加と相まって免疫機能の低下をもたらすことが懸念されています。
 私たちの身体は細菌やウィルスの感染に対して免疫システムが作動します。この際リンパ球の活性化により細菌などを攻撃するのですが、筋肉を自己分解することによって「グルタミン」というタンパク質を生成しこのグルタミンがリンパ球を活性化することが指摘されています。40度の発熱が数日続いて「やつれる」のは実は筋肉の自己分解の結果なのです。ということは逆に筋肉量が少ないということはいざというときに免疫システムを活性化できない危険性があります。
 血液中の「アルブミン」の濃度低下(4mg/dl以下)が生存率を下げることも指摘されています。アルブミンは食品中の肉や魚などのタンパク質由来で筋肉や血管やリンパ球を作るうえで極めて重要です。実は高齢者の低栄養(タンパク質摂取不足)は、運動不足と相まって「加齢性筋萎縮症(サルコペニア)」を加速して免疫力を低下させます。
 身体運動を行ってバランスの良い栄養と休養を心がけ、筋肉量を維持するということはサルコペニアや生活不活発病による虚弱(フレイル)を予防するうえで極めて重要なのです。

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