練習を繰り返せば上手になる?

何回練習してもなかなか上手にならない・・そんな悩みをお持ちの方は多いと思います。
また「子どもはどうしてあんなに簡単に出来るようになるの?」との疑問も多く寄せられます。
特に9歳から12歳までの子どもは「ゴールデンエイジ」とよばれ、神経系の発達や可塑性と骨格-筋の発達のバランスが良く「即座の習得」が可能と指摘されています(ただし±3年の発達差はあります)。
では大人はもう無理なのでしょうか?
私たちが運動を上手にできるようになるメカニズムには「小脳」が大きく関係しています。A:テイクバックからB:フォアワードスイング、C:インパクトからD:フォロースルーといった運動経過は「大脳皮質運動野」というところが運動指令を出します。一生懸命「素振り」をして練習すると誰でもある程度できるようになります。ところが、これを飛んでくるボールに合わせようとするとなかなか上手くいきません。卓球やテニスでラリー練習をしている時にナイスショットもありますがいつも会心のショットが打てるわけではありません。
フォアハンドショットを打つことは「プログラミング」、状況に応じて打ち分けることは「プランニング」と呼ばれ、脳の中で司っている部位が違うようなのです。「すごく奇麗なフォームでのミスショット!」というのはこのことと関連しています。
「小脳」のお仕事は、この一連の運動経過を「補正(負のフィードバックといいます)」しているようなのです(下図)。
フォアハンドショットの[A][B][C][D] という運動経過に対して、速いボールならテイクバック[A]を[-1/a1]で補正、遅いボールなら[-1/a5」で補正、通常のボールは[-1/a3]で補正をします。そうすると常に[-1](ぴったんこ!)となります。
そしてこの小脳の補正能力は誰でも持っていて「繰り返して練習すればするほど向上する」と指摘されています。しかし個人差もあるようなので、練習ではラリーの速度を変えたりボールを変えたりラケットを変えたりして「逆動特性学習」を進めることができます。ワンパターンの反復練習がいつか破綻するのはこのことが関係しているようです。
また、インパクトに応じで適切にスイングを開始するのには「大脳基底核」という部位が関与しているようです(続く)。

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