”筋膜リリース”って何ですか?

 時々テレビやネットで”筋膜リリース”が話題になります。
 整形外科や接骨院でも治療や施術をしてくれますし、専用の器具(でこぼこのあるパイプやマッサージ機)もネット上で市販されています。
 筋膜は、筋線維の集合体である全身のそれぞれの筋を束ねて区分している強靭なコラーゲンの「結合組織(サラミソーセージの外側のセロハンみたいなものをイメージしてください)」です。
 この筋膜が”シワシワ”したり隣の筋膜と癒着したようになっていると、筋の動きが悪くなるのでコリがでたり可動範囲が狭くなったりする・・ということで、その”シワシワ”や癒着を解消しようというのが治療の原理です。
 TVでは生理食塩水などの該当部位への注射が紹介されますが、生体侵襲なのでお医者さんしか措置ができません。そこで、ストレッチングや器具を使って様々な方法でトライすることとなります。
 毎日動かしている上腕二頭筋(力こぶ)などで筋膜の癒着が起きたという話はあまり聞きません。長時間のデスクワークやスマホの使用により同じ姿勢を続けていると肩(僧帽筋)や背中(広背筋)などで発症するようです。ラケットスポーツではあんなに激しく使用しても「肩こり」が起こらない・・筋肉痛は起こりますが・・のはよく動かしているからです。
 ただ、「痛みを感じる(痛覚)」というのは大変に複雑な現象で、損傷した部位を保護して回復をはかるために炎症や痛みが生じますが、局所麻酔や鎮痛剤などでは痛みをあまり感じなくなります(ただし運動感覚も”あやふや”になるので高度なテクニックは発揮できません)。また「こり」と「痛み」はメカニズムが異なり、その時点での可動範囲を超えて動かそうとすると痛みが生じます。
 ストレッチングは筋の緊張による短縮(こり:残存トーヌスといわれます)をゆっくりとした伸展で刺激を与えたり、拮抗筋を利用して反対方向に収縮させること(PNF:固有受容性神経筋促通法といいます)でこの短縮を改善する方法です。何らかの方法で「動かす」ことを持続して適度な刺激を与えていれば筋の残存トーヌスを軽減したり、筋膜の癒着を改善したりすることは可能なようです。特に可動範囲や筋緊張の「左右差」の改善は、スポーツ障害の予防にとって重要です(続く)。

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