痙攣は、本人の意思と関係なく特定の筋肉が「勝手に収縮する」現象で、”しゃっくり”は横隔膜の痙攣です。
動作を引き起こすための通常の筋収縮は、複数の筋が私たちの意志で活動し、動作をやめようとすれば筋収縮はなくなります。ですから私たちの意志とかかわりなくある筋だけが収縮する痙攣は「不随意収縮」とよばれ止めることが困難なのです。
脳からの指令なしに筋が勝手に収縮する原因は筋の内部環境にあるようです。
例えば、熱中症のひとつ「熱痙攣」は、大量の発汗に対して水分のみを補給した結果起こる「低ナトリウム血症」です。私たちの神経-筋システムは「ナトリウム」と「カリウム」で調整されていますのでイオンバランスが崩れると勝手に筋収縮をはじめます。
また、過緊張である筋だけの収縮感度(「閾値」といいます)が高くなっていると、わずかな刺激でも収縮が起こり一緒に働く筋群とのバランスが取れなくなります。一流の跳躍選手が痙攣をおこして競技が続けられなくなるケースはこれが原因のようです。
痙攣が一定時間以上続くと「筋肉痛」を引き起こしたり「コリ」のような残存筋緊張となって動作に支障をきたします。ストレッチングやマッサージで緩和することとミネラルの摂取が必須です。あまりにも頻繁で症状がひどい場合には「漢方薬」を利用するケースもあるようです。特に夏場は、大量の発汗があり脱水症やミネラルバランスの崩れが起こりやすいので注意が必要です。整理運動のストレッチングを心がけてください。
ちなみにビールなどのお酒は「利尿作用」があり脱水症で寝ている時の痙攣を誘発する場合があります。何事もほどほどが肝腎(肝臓と腎臓はとても大切な働きをしています)のようです。