女性の極端な痩せ志向の問題点は?

_軽量化が有利と考えられている女子の競技種目は、陸上競技長距離や新体操(細く手足の長い方が良い?)、フィギュアスケート(跳躍の高さや回転数が評価)などがあげられます。しかし、競技力としての筋出力の高さや後半でのスピード持久力も求められますので単純に軽量であればよいという訳ではありません。アスリートの軽量化は筋量を維持しての体脂肪の減少であり、増量では体脂肪を増やさずに筋肉量を増やすことが求められます。
_ただ女子アスリートの場合、体脂肪率が12%以下となると生理不順や骨密度低下を招きFAT(女子選手の3主兆)の弊害も指摘されてますので注意が必要です。FATは、強迫観念ともいえる「深刻な摂食障害」を誘発し無月経や骨密度低下を招き、選手生命を奪うほどの深刻な事態を招きます。
_この「痩身願望」は一般女性であっても存在します。実は20年前のマネキン人形では、現在市販されているGパンや上着は入らないそうで、服装業界を含め「痩身志向」を推進しているようです。身体運動を行わない一般女性の場合でも、1日1950Kclのエネルギー摂取が必要なのですが1500Kcal未満の女性が増えていることも指摘されています(NHK:クローズアップ現代~ニッポンの女性は ”やせすぎ” !?、2015年放映) 。
_単純に不足分の450Kcalの体内組織からの補填を計算すれば、脂肪は50g、糖質とタンパク質は112gに相当します。しかし脂肪の分解には手間がかかる(ミトコンドリア内のβ酸化プロセスが必要)ので優先的に糖質(グリコーゲン)を分解しますが、グリコーゲンは脳機能を維持するのに絶対に必要なものなので脳機能の低下を招きます。またタンパク質では筋や内臓組織、免疫細胞などを分解しますのでまさに「活動レベル」や「生命機能」の低下などきわめて不健康な状態を招いてしまします。
_また最近話題の「低糖質ダイエット」では、摂取食品のタンパク質・脂肪・炭水化物の割合(PFCバランスといい20:15:65の和食メニューが健康的とされる)を「相対的ジャンクフード化」することとなり栄養バランスも崩壊します。サプリメント摂取はあくまでも「栄養補助食品」ですのでトータルな食事内容を改善してくれるわけではありません。
_やはり「運動-栄養-休養」の枠組みの中で、必要な食事内容と三食摂取のタイミングを計っていくことが重要なのだと思います。

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